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10月12日(日)開館20周年特別企画「第41回秋の縄文野焼き祭り&土取利行縄文鼓ライブ」」が開催されました!
1万5千年以上前の日本列島に生まれた「縄文」は、造形美と豊かな精神性を内包し花開きました。自然に依拠し豊かな精神性を内包した争いのない時代、自然と共に生き、縄文文様には生死再生、大地に生命満ち溢れますようにという祈りが込められています。
猪風来美術館は開館以来20年にわたり現代縄文創作作品の展示や縄文スピリットを伝える陶芸教室や縄文野焼き祭りを開催、以来縄文の炎は多くの方々の熱い想いを内包して燃え続けてきました。
当日は各地から参加した陶芸教室生や新見市の小学生2団体の作品を含め、約150点の縄文土器や土偶・土面・オブジェなどを焼き上げました。
早朝は台風23号の影響が残り、厚い雲に覆われた中で、朝7時火入れ。前日の野炉焼きの火が朝まで微かに残り、火床としてはなかなか良い感じ。縄文野焼き開始です。
今春の企画展「火焔土器展」では 縄文人たちの手の跡残る貴重な土器を間近に見ながら学ぶことができる貴重な機会を得て、猪風来美術館に集う縄文作家たちは土器土偶を模写、また一般向けの縄文ワークショップでの作品たちも。春からの半年分の陶芸教室生、小学生から80代までの約130点の縄文土器や土偶・土面・オブジェなどを みんなで焼き上げました。
どれも縄文文様を施し、心を込めてつくった素晴らしい作品たち、縄文の魂に触れた命への祈りが感じられます。
当日早朝の白い霧が晴れると 澄んだ秋の青空が広がり、とびっきりの野焼き日和! 前日の野炉焼きの火が朝まで微かに残り、すっかり出来上がっている火床に 朝7時火入れ。縄文野焼き開始です。
当日の野焼きスタッフは40人以上。京都・奈良・大阪・兵庫など関西方面、四国、広島・鳥取・島根そして岡山など中国地方からやって来た方々など。作品つくり・縄文野焼きを通して体験することで、縄文の心と技を学びたいと思う人たちが増えています。この日は見学でしたが、フランスから来た若い女性アーティストも。
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「カムイノミ」では「縄文野焼き」が無事やり遂げられるよう スタッフ全員で野焼きの火を前に、大地や太陽、火や風、森羅万象に祈ります。
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この日は天候の急変を心配して、野炉の中心に早めに作品を据え、周りに火焔陣を作り、徐々に火力を上げていき作品の炙りを慎重に。材木の入れ方、タイミング、炎のサークルの狭め方などを慎重に見極めながら、協力して進めていきます。
天候も次第に好転し、青空が広がる野焼き日和。作品の色も、温度が上がるほどに黒ずみ始め、濃い茶色に。野焼きスタッフは初めての方も多く、いつもながら女性が多いのですが、大きくて重い材木を3~4人がかりでしっかりと運び配置。日差しが強まり、野焼きの火も大きくなるので、皆汗まみれになりながら力を合わせます。
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そしてクライマックスの縄文の炎の大きな火柱が立ち昇り、温度も800度越え。炎の子宮から新しい生命の誕生です!縄文土器や土偶、縄文土面やオブジェ、土鈴・勾玉など約150点が無事に焼き上がりました。取り出された作品はみな縄文文様が施され心を込めてつくった素晴らしい作品たち、縄文の魂に触れた命への祈りがこめられ、炎のパワーを宿し輝いています。
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開会式では法曽焼同好会小林会長や新見市教育長、猪風来美術館後援会奥津会長のご挨拶がありました。石田新見市長も駆けつけてくれ激励の言葉をいただきました。
地元の法曽焼同好会員が中心になり、昼食の準備や音響などで祭りを支えてくれました。
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焼き上がった作品の中から、縄文野焼き大賞など4賞が選ばれ、表彰されました。
●縄文野焼き大賞 村上幸子(兵庫県宝塚市)縄文土器
●新見市教育長賞 山本遊清(新見南小5年)縄文土面
●法曽焼同好会会長賞 笹山恭代(京都市)縄文土器
●猪風来美術館館長賞 片山祥一(新見市神郷)縄文土器
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野焼き祭りが無事終えられたことを大地や火への感謝の思いを込めて踊る「縄文大地の精霊ダンス」。2019年以来行っている縄文土器文様を参考に創作したダンス。マイちゃんが今回も踊りを指導、縄文太鼓の音に合わせ 大地を踏みしめ野焼きに居合わせたみんなで大きな輪になって踊りました。
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野焼きスタッフの皆さん、準備万端に裏方を担ってくれた法曽焼同好会、いつも支えてくださる後援会の皆さん、温かく見守ってくれた皆さん、その他協力してくださった全ての皆さんに感謝です。本当にありがとうございました
土取利行さんの縄文鼓が打ち鳴らされると時空は一気に縄文時代に回帰し、縄文が消えた弥生以来3000年間を超えて21世紀の現代に縄文の音が躍り出る。その場に居合わせた人たちにとって、それはなんと幸運なひと時であったことだろう。彼の手指が、張りつめた皮を打つと、縄文土器の底部へと波動が伝わり、また跳ね返って外部へと波動が広がっていく。その変幻自在な音が織りなす独特な世界。音のリズムが広場をうずめると縄文時空間が立ち現れる。縄文の炎と縄文の音に満たされた人々は、この蘇った縄文時空間の素晴らしさに酔いしれた。最高のひと時をありがとう!(猪風来)
竪穴住居前を舞台に、小さな火を焚き、縄文鼓6個を配置する。土取利行さんが現れてその前に座る。ライブの始まりです。縄文笛の大気を震わす音で始まる。鳥や獣へ語り掛けるような響きには、カラスも呼応して鳴きながら空に弧を描く。縄文鼓の音が、広場と深い緑の谷間に、日の没する山の稜線から空に響き渡る!縄文の音は、縄文鼓の音は大地の鼓動そのもの。縄文の炎の熱のこもる大地を這い、緩やかならせんを描きながら樹々を巡り、空に拡散していく。
土取さんの演奏に聞き入る人々は、全身で音を受け止め 縄文の音の世界を堪能していました。途中、土取さんの語りや太鼓の音に合わせての声の掛け合いなどを楽しみ、皆この場限りの稀有な音の世界に感応し味わっていました。
土取さんは村上原野の遺された作品を見て、この日の演奏を「村上原野に捧げる」ものとしたいと思ってくださったそうです。14年前の原野との出会いと彼の作品が突き動かした土取さんの心もちがとても嬉しかった。そして、「猪風来美術館、この縄文の灯を消してはいけない」とも訴えてくださった。この場に来られて縄文鼓を演奏してくださった土取利行さん、もうそれだけで感謝です!
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この特別企画では、多くの方々を受け入れるにあたり、周辺駐車場を4か所準備し、方谷駅からの送迎体制も準備。土取さんのライブ実現のために、土取さんの公演スタッフに加え岡山市を中心にボランティアスタッフとして準備や広報で活躍してくださったHさんたちの加勢もあり、駐車場の案内や送迎もスムーズに行われ、多くの参加者を受け入れることができました。
遠くから参加して当日スタッフでお手伝いいただいた方々も。そして野焼きスタッフの皆さん、準備万端に裏方を担ってくれた法曽焼同好会、いつも支えてくださる後援会の皆さん、新見市教育委員会など協力してくださった全ての皆さんのおかげでやり遂げることができました。本当にありがとうございました。
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【「第41回 秋の縄文野焼き祭り」チラシ】 →PDF版を開く |