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猪風来美術館開館20周年記念
第40回 春の縄文野焼き祭り(令和7年度)
~春 いのちの胎動の喜びよ~

【開催日】2025年4月27日(日)
春の縄文野焼き祭り(令和7年度)

 母なる大地に根差し生命の生死再生を願い、万物生命の豊饒を祈る造形文様を土器や土偶に施した縄文人。そして森羅万象と炎の力をかりて行う“縄文野焼き”。縄文野焼きは祈りを込めた作品たちが新たな命を宿して生まれてくる聖なる祭りの場です。

 悠久の時間を内包した大地、その地層に積み重なったいのちの記憶は、掘り出した粘土の中にあり時の流れをこえて私たちに大切なメッセージを送ってくれます。私たちも祈りの造形に魂の形をのせて 粘土で作品を作り縄文野焼きをします。


 4月27日(日)猪風来美術館恒例の「春の縄文野焼き祭り」が 最高の晴天のもと開催されました!山々の萌えたつ若葉のなかに藤の花の紫色が美しく咲きみだれ、野鳥のさえずりが響きわたる谷間の春。縄文造形・文様に込められた縄文スピリットを学び 丁寧に心を込めて文様を施した陶芸教室生の作品約80点を みんなで力を合わせて焼き上げました。


 朝7時過ぎに火おこしと火入れ。早朝の少しひんやりした冷気が気持ちを引き締めます。 当日の野焼きスタッフは21名ほど。ベテランや少し経験をつんで手慣れてきたメンバーに初体験の方々が混合したとてもベストな野焼きチームです。 縄文の心と技を本気で学びたいと思う人たちが増え、縄文の技と心を学び継承し繋いでいくことはとても大切です。


春の縄文野焼き祭り(令和7度) 春の縄文野焼き祭り(令和7年度)
春の縄文野焼き祭り(令和7年度) 春の縄文野焼き祭り(令和7年度)
春の縄文野焼き祭り(令和7年度) 春の縄文野焼き祭り(令和7年度)
春の縄文野焼き祭り(令和7年度) 春の縄文野焼き祭り(令和7年度)

 火が安定してきたころ東の方向を向いて 猪風来を中心に野焼きスタッフが座り「カムイノミ」を行いました。カムイノミでは縄文野焼きの成功を祈り 大地や太陽、火や風、森羅万象に祈ります。


春の縄文野焼き祭り(令和7度) 春の縄文野焼き祭り(令和7年度)

 作品の炙りのあと、野炉の真ん中に温まった作品を並べ、まわりを材木で囲んで少しづつ火力を上げていきます。爽やかな大気の中、太陽は満遍なく陽ざしを注ぎ、炎はかろやかにゆらめいて、なんという野焼き日和でしょう!土器や土偶の色も刻々変化し順調に温度が上がっているのがわかります。野焼きの炎の周りはとても熱く、野焼きスタッフも大変ですが、天候と火がとても安定しているので、気分はみなゆったりと野焼きに臨んでいます。みな協力して大きな材木を運び慎重に火を大きくしていきます。


春の縄文野焼き祭り(令和7年度) 春の縄文野焼き祭り(令和7年度)
春の縄文野焼き祭り(令和7年度) 春の縄文野焼き祭り(令和7年度)
春の縄文野焼き祭り(令和7年度) 春の縄文野焼き祭り(令和7年度)
春の縄文野焼き祭り(令和7年度) 春の縄文野焼き祭り(令和7年度)

 そして攻め炊き。作品の高さを超す材木を井形に積み、その上にみなで次々と長い材木を重ね、炎は大きな火柱を上げる。800度越え。炎の子宮の中から新しい生命の誕生です。炎のパワーを宿した土器や土偶は生き生きと輝いています。野焼きスタッフの貌もまた、熱い炎と相まみえた充足感に満ちていて輝いています。


春の縄文野焼き祭り(令和7年度) 春の縄文野焼き祭り(令和7年度)
春の縄文野焼き祭り(令和7年度) 春の縄文野焼き祭り(令和7年度)
春の縄文野焼き祭り(令和7年度) 春の縄文野焼き祭り(令和7年度)
春の縄文野焼き祭り(令和7年度) 春の縄文野焼き祭り(令和7年度)
春の縄文野焼き祭り(令和7年度) 春の縄文野焼き祭り(令和7年度)
春の縄文野焼き祭り(令和7年度) 春の縄文野焼き祭り(令和7年度)
春の縄文野焼き祭り(令和7年度) 春の縄文野焼き祭り(令和7年度)
春の縄文野焼き祭り(令和7年度) 春の縄文野焼き祭り(令和7年度)

 開会式では法曽焼同好会小林会長や新見市教育部長、猪風来美術館後援会奥津会長のご挨拶がありました。石田新見市長も昼ごろ駆けつけてくれ、ご挨拶をいただきました。地元の法曽焼同好会員が、心を寄せてくれる仲間たちと共に裏方全般を担って、昼食の提供や受付・音響などで祭りを支えてくれました。筍入りカレーライスやカレーうどん、とても美味しかったです。


春の縄文野焼き祭り(令和7年度) 春の縄文野焼き祭り(令和7年度)
春の縄文野焼き祭り(令和7年度) 春の縄文野焼き祭り(令和7年度)

 猪風来美術館開館20周年記念特別企画の10/12の「秋の縄文野焼き祭り」で、縄文鼓演奏をしていただく予定の土取利行さんが下見・打ち合わせを兼ねて野焼き祭り会場に来てくれました。世界的パーカッショニスト土取さんは縄文鼓の制作・演奏のパイオニアでもあります。今回土取さん率いるパーカッションアンサンブル「スパイラルアームズ」の公演29日(高松)30日(岡山ハレノワ)のため岡山入りしている合間を縫っての訪問でした。縄文の炎の波動と 縄文鼓打ち鳴らす音の波動が、この法曽の谷間に連動し響きわたる様子を思い浮かべ今からワクワクしています。どんな縄文世界が出現するか期待してください!


春の縄文野焼き祭り(令和7年度) 春の縄文野焼き祭り(令和7年度)

 東京の映画制作会社による縄文ドキュメンタリー映画撮影が始まっています。猪風来美術館を舞台に 猪風来の縄文芸術活動を核にしてこれから一年間取材予定。今回の春の縄文野焼き祭りから撮影が始まっています。どんなドキュメンタリー映画になるか楽しみです。


 野焼き祭りが無事終えられたことを大地や火への感謝の思いを込めて踊る「縄文大地の精霊ダンス」。20199年に縄文土器文様を参考に創作したダンス。振り付けを猪風来や村上原野などみんなで考え、中心になってまとめてくれたマイちゃんが踊りを指導、野焼きスタッフも裏方さんも居合わせたみんなで輪になって踊りました。抜けるような青空の下、縄文太鼓の音にのり大地を踏みしめ、土偶のポーズなどいくつかの振り付けをまじえて 笑顔がはじけます!


春の縄文野焼き祭り(令和7年度) 春の縄文野焼き祭り(令和7年度)
春の縄文野焼き祭り(令和7年度) 春の縄文野焼き祭り(令和7年度)

 野焼きスタッフの皆さん、準備万端に裏方を担ってくれた法曽焼同好会、いつも支えてくださる後援会の皆さん、仲間たち、その他協力してくださった全ての皆さんに感謝の思いでいっぱいです。この20年間、40回の縄文野焼き祭りを続けてこられたこと、本当にありがとうございました

「第40回 春の縄文野焼き祭り」チラシ表面
【「第40回 春の縄文野焼き祭り」チラシ】 →PDF版を開く


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