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<企画展>「縄文土器やアマゾンの土器たちが語るもの」

【会期】2023年2月1日(水)~2023年5月28日(日)
縄文アマゾン
【縄文土器やアマゾンの土器たちが語るもの チラシ】 →PDF版を開く

〈企画展〉「縄文土器やアマゾンの土器たちが語るもの」

  会期:2023年2月1日(水)~5月28日(日)

  休館日:月曜日(祝日の場合開館し翌日休館)月・火曜日(2月のみ)


【関連企画】座談会「縄文土器やアマゾンの土器たちが語るもの」


  日時:2月23日(木・祝)午後1時~3時

  場所:企画展示室 申込不要(要観覧料)

   ・古谷嘉章(九州大学名誉教授)

     縄文、アマゾン先住民文化をよく知る人類学者の視点から

   ・松本直子(岡山大学文明動態学研究所教授)

     縄文土器の認知考古学、比較考古学の視点から

   ・真世土マウ(岡山県立大学デザイン学部准教授)

     古代アメリカ土器復元制作等、土器の作り手の視点から

   ・猪風来(縄文造形家・猪風来美術館館長)

     縄文土器・土偶復元制作、現代縄文アーティストの視点から



 世界各地で人類史古層の土器作りが復活し、現代の作家による再現・創作が行われています。こうした動きは原点回帰と共に未来を志向し新しい創造を模索する文化潮流となっています。それは人類の始原のアートの世界であり、宇宙や自然の波動を感受し、生と死と再生への畏怖からくる祈りの世界観が表現されています。


 今回メインのアマゾン土器(マラジョアーラ土器・タパジョニカ土器)の作者メストレ・カルドーゾさんは、先住民が作った通りの技法や材料を長年かけて調査・研究し先史土器の復興を成し遂げた名人、すでに故人ですが他の追随を許しません。長年アマゾンの土器研究をしてこられた九州大学の古谷嘉章氏より昨年12点のカルドーゾ作の土器の寄贈を受けてこの企画が実現しました。

 この企画展では再現復活したアマゾン(ブラジル)の土器-中南米土器-北米ホピ族の土器などに縄文土器を加えて一堂に展示し、世界的な視野で焼き物の原点にせまります。これらの土器は造形や世界観の表現が縄文土器と通底するものが垣間見えて興味深いです。 土器の再現を通して形や土器文様に込められた心を読み解き、そこからふたたび現代を展望して創作し未来に届けていく。アートの根源性がそこにあるのです。


アマゾン(マラジョアーラ土器とタパジョニカ土器)について


 アマゾン河口のマラジョー島で5~14世紀に作られたマラジョアーラ土器と、アマゾン河中流で16世紀まで続いたサンタレス文化のタパジョニカ土器たち。これらは高度な技術を要する「多彩色土器」で、女性像や精巧な文様土器は刻線文や隆線文、動植物文、人像文などが施され800度~1000度で焼成されたものです。

 マラジョー島は5,000年以上前の貝塚が存在し、紀元前1,500年頃には100人程度の集落になり、土器文化が熟成しつつ「マラジョアーラ土器」が作られたと伝えられています。 マラジョアーラ土器は粘土紐を輪積みして成形したものに白と赤の泥漿を塗り重ね、複雑な幾何学文様や人間・動物などを象った文様が線彫りや浮き彫りで施されている。白い化粧土の素地に赤と黒の顔料で彩色する技法もみられる。器や鉢、小像など種類も多彩だが、遺骨を納めた甕棺が女性を象った器であることが印象的である。土器文様の意味について解明はようやく始まったばかりということだが、その世界観の表現は縄文土器と重ね合わせることで見えてくるものがありそうです。

 縄文造形は生命と魂のデザインであり、大地に根差した思考―女性原理思考を基盤に生み出されたものです。この点はアマゾンの土器の造形的概念にも共通して見出すことができます。カルドーゾさんがこの土器復元に生涯をささげたことは、土器に表出された精神に共感したからなのでしょう。

            

【出品作家】

 ・アマゾン(ブラジル)土器 メストレ・カルドーゾ

 ・古代アメリカ土器  真世土マウ

 ・北米ホピ族土器   ドロシー

 ・縄文土器・土偶   猪風来・村上原野・土田哲也・兵頭百華


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