【ユークイヴィーナス】 |
昨年の夏に企画した沖縄シリーズに続く第2弾。
沖縄には森の中の<御嶽(ウタキ)>や浜辺などで行う女だけの祭祀があります。
「女の祭」には、先祖を供養するための「祖神祭(ウヤガン)」、実りの豊饒を願う「世乞(ユークイ)」、海の豊饒
を願う「龍宮願い(リュウグウニガイ)」などがあり、祭に参加する女たちは、身を清め「草冠(キャーン)」「手草
(ティフサ)」や白衣装などで整えて神女(カミンチュウ)になります。
島の女性たちは、沖縄ウルマ島を抱き島と一体となり森羅万象と交合する。
祈る女性たちの精神世界はあらゆるものを清めて、新しい霊威(セジ)ある生命を生み出すのです。
猪風来は1996~1999年、沖縄本島や島々を巡り、島の風土や祭りを作品にしてきました。
今回展示する陶板レリーフ「月の女神」(h 180㎝)は手草(ティフサ)をもって宙に舞う女神の姿をおおらかに表現。
また「カミンチュウ」(h90cm)「ユークイヴィーナス」(h80cm)などの縄文焼の立体像は、御嶽(ウタキ)で
神唄を唄い舞い、この世の豊饒を乞い願う女たちを神秘的な雰囲気を漂わせて表現しています。
【月の女神】 |