「縄文芸術と出逢い、燃えさかる炎の子宮から新しい命を抱き生まれ出た土器を目の当たりにし、土器のおおらかでのびやかな螺旋と重層な渦には、いのちを包含し、超越し、拡大し続ける果てなき広がりを感じました。
そして探し求めていた充足感は外側の世界にはなく 内側の世界にあることへの気づき、その深く内なる世界~ありあまる豊かな世界が広がる子宮といのちをテーマに点描画とベンガラ画で表現しました。」(小川千夏)
縄文土器・土偶の本質は 女性原理思考を基底とする。子宮の奥底から湧き立つ生命波動を土器胎に造形した螺旋とマガタマ形の織りなす美しい縄文文様。
小川千夏は独自の点描技法で、自身の体内から渦巻く命のリズムと、大地・大自然から派生するエネルギーを融合する世界を開示する。母なる大地に根ざした縄文に感応して新しい表現領域を獲得した彼女は、渦舞うベンガラ画にも挑戦しアート表現を無限に拡大する。約30点を展示。
どうぞご高覧ください。
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【小川千夏】
1972年大阪生まれ。2013年猪風来美術館縄文野焼きに感銘を受け、縄文スピリットの真髄である「いのち」と命育む子宮をテーマに点描画で表現世界を広げている。
福山・大阪・神戸・倉敷など各地で展示活動。猪風来美術館では2016年「女たちの縄文野焼き作品展-すべての生命を抱きたい-」と2020年「村上原野と響きあう仲間たち展」に出品。当館での個展は初めて。現在、岡山県高梁市の工房でベンガラを使った創作活動などを行っている。
「子宮ありあまる豊かさへ 拡大」 42×60cmアクリル・白ボールペン点描 |
「きみをのせて イノシシ」 21×30cm 黒ボールペン点描 |