【「渦巻く翅(つばさ)のヴィーナス」チラシ】→PDF版を開く |
会 期 2020年9月1日(火)~12月26日(土)
休館日 月曜日(12月は月・火曜日)
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「縄文のスピリットに基づきながら現代に生きる己の感性で土と炎と大自然に向き合い、縄文の新時代の美を求めてゆく。やがて皆がそれを感じ、縄文のあたらしい渦が新星のように生まれてゆく時代――スパイラル・ノヴァの訪れを予感しています。」(村上原野)
村上原野は北海道の原野に生まれ、幼少時代を父(猪風来)の縄文作品や縄文野焼きに日々身近に触れながら育つ。2020年新見市猪風来美術館で本格的に縄文修行に入り、縄文土器・土偶の徹底的な模写を通して体得した縄文の心と技を基盤としてやがて独自のニュー縄文造形を創出。その作品は大自然と大地から湧き立つ豊饒なる精気・霊気をおおらかに表象した生命のドラマを感じさせるもので、緻密で重層的に渦巻く文様表現の創造性は他の追随を許さない。
近年では多ジャンルの若手縄文アーティストらと『ARTs of JOMON』展を国内外で展開し、2015年には米国デンバー展、2017年にはマレーシア展に参加。2019年には米国ボルダー市“縄文の祭典”で北米初の縄文野焼きを実現。その技量と根源力が高い評価を受け、若き縄文アーティストの旗手として期待され、自身でも意欲的に活動を展開していた矢先でもあった。
2月16日未明、作品制作中に手に竹べらを持ったまま32歳の若さで突然逝ってしまった彼の無念、残された者たちの悲嘆は深い。完成直前の絶作「渦巻く翅のヴィーナス」は、大地から湧きあがる無数の渦巻く文様の中に浮かび上がる美しい女人像、両腕の途中から翅のように変容していくスパイラル文様は大地と繋がりそしてまさに未来へ羽ばたく姿。彼の魂のこもる、縄文の新時代を代表する名作が出来上がっていたのです。
彼の最後の渾身の作品を中心に、彼が10年間に成した数々の作品、その濃密な創作の過程を網羅し展示いたします。
どうぞご高覧ください。